歯を失ってしまった方へ
むし歯や歯周病の悪化、または不慮の事故などにより歯を失ってしまうことがあります。子供の頃からずっと一緒だった歯を失うショックは、はかり知れません。
しかし、嘆くことはありません。今日では失った歯の機能を取り戻すための歯科素材、「インプラント」や「入れ歯」があります。特にインプラントは、「第2の永久歯」と呼ばれるほど天然歯に近い機能が得られる素材です。再び食事や会話を楽しむために、ご自分に最適なものをお選びください。
インプラント
以前は、失った歯を補うものとして入れ歯以外のものは考えられませんでした。しかし今日、その見た目や機能性などから、非常に人気が高いのがインプラントです。そのメリットや治療の手順などをご紹介します。
インプラント治療とは
インプラント治療とは、歯が抜けてしまった部分の顎の骨に、インプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯を被せる治療です。インプラントが顎の骨にきっちり結合することで、咬み心地も抜群。見た目の色調や形も、天然歯に合わせて作ることができます。
機能性・審美性ともに、まるで天然歯が戻ってきたような感覚のインプラント。それが「入れ歯」や「ブリッジ」を越え、歯を失った際の「最良の治療」と言われている所以なのです。
インプラント治療のメリット
インプラント治療には、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
メリット1 | 装着性が高く、適切なケアにより長期的に快適な咬み合わせを維持することができます。 |
メリット2 | 失った歯が多くても対応可能です。 |
メリット3 | インプラントを通じて咀しゃくの刺激があるため、顎の衰退を防止します(入れ歯などの場合、顎は痩せてしまいます)。 |
メリット4 | 天然歯に非常に近い機能と見た目を蘇らせます。 |
メリット5 | 万が一抜け落ちても、やり直しが可能です。 |
インプラントは、周囲の健康な歯や歯ぐきにも負担をかけない素晴らしい歯科素材です。
インプラントオペ室
当院では、インプラント専用のオペ室を完備しています。そのメリットは次の通りです。
- 診察室と隔てることで清潔を保ち、オペ中に起こりうる感染リスクを減らします。
- 完全個室で診療台や各種機器をオペ仕様にすることで、治療に専念しやすくなります。
- オペ中に起こりうるあらゆるリスクに対応できる準備をとっているため、安心して治療に臨んでいただけます。
痛みに敏感な方には、歯科麻酔医による静脈内鎮静法を受けていただくことができます。その際に血圧や脈拍、酸素飽和度などを監視するための生体モニターも完備。患者様のお身体の状態を、しっかり把握しながら治療を進めていきます。
さらに万が一のためにAED(自動体外式細動器)も完備。AEDは、心臓がけいれんして血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に電気ショックを与えることで、正常なリズムに戻すための医療機器です。
当院では安心してインプラント治療を受けていただくために、最新の設備を整えています。どうぞ安心してお越しください。
当院のインプラント
当院では、スイスのノーベルバイオケア社製「ブローネマルクインプラント」を採用しています。スウェーデンのブローネマルク博士が世界で初めて開発した、40年もの歴史と実績を持つ、2回法の代表的なインプラントです。
ほとんどの症例を治療することができる「ブローネマルクシステム」や、インプラントとアバットメントを一体化しフラップレスで埋入する即時負荷用インプラント「ノーベルダイレクト」など、一人ひとりに適したものをご提案します。
インプラント治療の手順
インプラント治療がどのように進められていくのかご紹介します。
1.初診、事前検査 |
お口の中を見せていただき、必要な検査をしていきます。 |
2.治療計画の決定 |
患者様のご都合などにも配慮した上で、検査結果をもとにインプラント治療の計画を立て、納得いくまでご説明します。 |
3.インプラント治療前の措置 |
インプラント治療を始める前に必要な、お口の衛生指導や歯石除去、また歯周病治療などを行います。 |
4.インプラント埋入手術 |
歯を失った部分の顎の骨に、インプラントを埋め込みます。 |
5.インプラントの安定期間 |
インプラントが顎の骨になじむまで、数か月の安定期間を取ります。状態によっては仮歯を入れることもあります。 |
6.上部構造の制作 |
人工歯を支えるためのインプラントの部品、アバットメントを取り付け、人工歯を装着します。 |
7.メインテナンス |
インプラントを長持ちさせるためには、天然歯と同じように正しいブラッシングと定期検診が必要です。ケアを怠れば、人工歯でも歯周病に近い症状が起こります。正しいケアを欠かさないように心がけましょう。 |
入れ歯
歯を失った場合に機能を回復させる手段として、昔から活用されてきた入れ歯が挙げられます。入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があり、またその見た目や装着感の違いから、保険診療と自費診療のものがあります。患者様の症状やご希望によって、適したものを選びましょう。
入れ歯治療のメリット
入れ歯治療のメリットを挙げてみましょう。
- 素材によって保険適用が可能であり、費用が抑えられます。
- 手術が不要で、治療期間は短くなります。
- 手入れがしやすく調整も簡単です。
- 部分入れ歯の場合を除いては、ほとんど歯を削ることがありません。
様々な入れ歯
入れ歯にも様々な種類がありますが、こちらでは「ノンクラスプデンチャー」と「金属床の入れ歯」をご紹介します。
ノンクラスプデンチャー
部分入れ歯によくある金属のバネ(クラスプ)がない、目立たない部分入れ歯です。審美性にすぐれているだけでなく、柔らかい素材で薄く作ることができるため、装着の違和感がありません。金属アレルギーの方にも適した入れ歯です。
金属床の入れ歯
入れ歯の床部分が金属でできている総入れ歯。プラスチックより薄く床を作ることができるため、装着の違和感を軽減できます。また金属は熱の伝導にすぐれており、食事をより美味しく楽しむことができる入れ歯です。